2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

李太喜『自由と自己の哲学――運と非合理性の観点から』(岩波書店、2024年)をザッと読んで

李太喜『自由と自己の哲学――運と非合理性の観点から』(岩波書店、2024年)を読んだ。他の仕事の合間に、一部流し読みしながら、大事な箇所を集中して読む、という仕方で読んだので、まだ完全なレビューはできないが、以下、手短に現時点の感想を述べておき…

ヒュームとストローソン――自由と責任の哲学における自然主義と懐疑主義をめぐって

2024年3月26日(火)――このポストが行なわれた日からみて「次の火曜日」――に「第6回非難の哲学・倫理学研究会(佐々木拓がオーガナイズ)がある。私はそこでヒュームの責任論とストローソン(父親のほう)のそれを比較する発表を行なう。その原稿が文字とし…

《ひとは自分の行為に責任を負いうる》というテーゼをデネットはいかにサポートするか。

以下、《人間の自由や責任の存在をデネットはいかにサポートするか》を説明する。そのさい参照するのは『自由は進化する』(山形浩生訳、NTT出版、2005年)や『自由の余地』(戸田山和久訳、名古屋大学出版会、2020年)である。 じつにデネットにおいて〈責…

埴谷雄高の小説『死霊』のストーリー全体の紹介

「はてなブログ」を始めることにした。かつて note に置いてあった記事を置いたり、新たに書いたものを置いたりしたい。 一回目は、わけあって、表題のとおり「埴谷雄高の小説『死霊』のストーリー全体の紹介」である。これは 2023年11月22日にnoteで公開し…