読んで学べる論理学を探しているひとへ――古典命題論理から様相命題論理まで

論理学を基礎から〈テキストを読むこと〉だけで独習しようとするひと――こうしたひとにとって役立つかもしれない講義テキストを置いておく。これは某大学で私が担当している論理学の講義のテキストであり、その授業では安井邦夫『現代論理学』(世界思想社、1…

李太喜『自由と自己の哲学――運と非合理性の観点から』(岩波書店、2024年)をザッと読んで

李太喜『自由と自己の哲学――運と非合理性の観点から』(岩波書店、2024年)を読んだ。他の仕事の合間に、一部流し読みしながら、大事な箇所を集中して読む、という仕方で読んだので、まだ完全なレビューはできないが、以下、手短に現時点の感想を述べておき…

ヒュームとストローソン――自由と責任の哲学における自然主義と懐疑主義をめぐって

2024年3月26日(火)――このポストが行なわれた日からみて「次の火曜日」――に「第6回非難の哲学・倫理学研究会(佐々木拓がオーガナイズ)がある。私はそこでヒュームの責任論とストローソン(父親のほう)のそれを比較する発表を行なう。その原稿が文字とし…

《ひとは自分の行為に責任を負いうる》というテーゼをデネットはいかにサポートするか。

以下、《人間の自由や責任の存在をデネットはいかにサポートするか》を説明する。そのさい参照するのは『自由は進化する』(山形浩生訳、NTT出版、2005年)や『自由の余地』(戸田山和久訳、名古屋大学出版会、2020年)である。 じつにデネットにおいて〈責…

埴谷雄高の小説『死霊』のストーリー全体の紹介

「はてなブログ」を始めることにした。かつて note に置いてあった記事を置いたり、新たに書いたものを置いたりしたい。 一回目は、わけあって、表題のとおり「埴谷雄高の小説『死霊』のストーリー全体の紹介」である。これは 2023年11月22日にnoteで公開し…